2013年11月13日

猫の乳腺腫瘍(乳がん)

先日11歳の避妊手術済みの猫ちゃんが来院しました。

胸にしこりが1個確認できるということでした。


乳腺腫瘍の疑いがありますので、すぐに摘出手術を勧めました。


猫ちゃんの乳腺腫瘍は悪性であることがほとんどであるため、肺への腫瘍の転移が早いので注意が必要です。

レントゲン検査から肺への転移は確認されませんでしたので手術を行いました。




胸からお腹にかけて剃毛したら、なんとしこりが2個ありました。

猫の乳腺腫瘍(乳がん)


転移のおそれがありますので広い範囲で切除しました。


数日後、病理検査の結果は悪性の乳腺腫瘍でした。

再発のおそれも否定できません。



乳腺腫瘍の場合、避妊手術によってリスクを低減したり、予防することが出来ます。

避妊手術を早期に行うことで、乳腺腫瘍の予防効果をより高められることがわかっています。



避妊による乳腺腫瘍の予防効果(猫)

6か月齢まで 91%
7~12か月齢 86%
13~24か月齢 11%
24か月齢以降 効果なし



残念ながらこの猫ちゃんは6歳の時に避妊手術を行いました。

乳腺腫瘍の予防にはならなかったようです。


猫ちゃんの乳腺腫瘍は早期発見、積極的な早期治療が重要になります。

腫瘍の大きさによって生存期間がグンと短くなってしまうというデータもあります。

やはり早期治療が予後を左右するといえると思います。


今後は適切な治療とケアをしてあげることにより、余命を伸ばしてあげることに全力を尽くします。

少しでも長く家族と穏やかな生活を送れるようにしてあげることが一番かと考えます。





どうぞこんなことにならないためにも、愛猫の避妊手術をオススメします。























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Posted by jimmy at 18:10│Comments(0)症例
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