2011年10月25日

犬の膀胱結石

犬の膀胱結石犬の膀胱結石

上の画像は犬の骨盤腔内に、ピンポン玉のような白いものが確認されます。
これは膀胱内にある結石です。

そして下の画像は同じ犬の1か月後の本日の画像です。
膀胱結石が溶解して小さくなっていることがわかります。


この結石はストルバイトといってリン酸アンモニウムマグネシウムという成分からなっています。
特徴としてはアルカリ性の尿でできやすく、この犬も1か月前にはpH8.5とアルカリ尿でした。

この犬は頻尿が数か月続いていたようですが、元気食欲ともいつもと変わらずということで様子観察をしていたようです。

手術をして結石を取り除くこともありますが、このストルバイトは食事によって溶解します。
私は過去何度も食事療法で治癒した症例を経験していたものですから、食事療法を選択しました。
飼い主様もそちらを望みました。

おおよそ60%くらいには溶解したと思います。
尿もpH5.5と酸性になっています。
尿検査も継続し、膀胱炎の感染症を予防治療しながら、今後もこの結石の溶解に努めます。

フードには結石を溶かすための薬が入っているわけではありません。
食事の組成が違うことによって、尿の性質が変化し、結石が溶けていくのです。

なぜなら尿の性質を左右する、尿中に排泄される老廃物、水分、ミネラルなどは、もとをたどれば食事に含まれていたものだからです。


予防対策としては、異常に気付いてあげることが大切です。
食欲や元気もそうですが、きちんとオシッコをしているか、量や回数は普段と変わりがないだろうかなど、トイレの時間もまたワンちゃんの健康をよく表しています。

また今後冬季になって飲水量が減るので、発生しやすい時期と言えます。
みなさん注意しましょう。 .





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Posted by jimmy at 14:56│Comments(0)症例
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